エクシーガ(YAM)チェックランプ点灯・変速ギクシャクの診断と修理
今回のご依頼は、スバル エクシーガのチェックランプ点灯および
変速時のギクシャクに関するご依頼です。
走行距離は131,200kmと、ATFの管理状態や内部部品の劣化が気になる時期に
差し掛かっているタイミングでした。

■ 車両情報
- メーカー・車名:スバル エクシーガ
- 型式:DBA-YAM
- 走行距離:131,200km
- 症状:チェックランプ点灯・変速時のギクシャク感
- 故障コード:P2764(ロックアップデューティソレノイド回路・低)
/C0045(ABS/VDCシステム・TCMの誤作動)
■ 診断・症状確認
まずはスキャンツールを使って故障コードを読み出しました。TCM(変速機制御システム)にP2764「ロックアップデューティソレノイド回路(低)」が記録されており、ABS/VDCシステムにはC0045「TCMの誤作動」が確認されました。


P2764はロックアップデューティソレノイドの回路電圧が規定値を下回っている
(Low側の異常)を示すコードです。ソレノイドバルブが正常に制御できなくなることで、
トルクコンバーターのロックアップが適切に行われず、
変速時のギクシャクやショックとして体感されます。C0045については、
TCMの誤動作が原因でABS/VDCシステムにも波及して記録されたものと判断しました。
スバルのCVTに搭載されているソレノイドバルブ不良によって
出力される代表的なDTCコードには以下のものがあります。
- P0970 / P0971:トランスファソレノイド回路(AWDソレノイド Low / High)
- P0973 / P0974:プライマリソレノイドA系回路(Low / High)
- P0976 / P0977:プライマリソレノイドB系回路(Low / High)
- P2762:ロックアップデューティソレノイド
- P2763:ロックアップデューティソレノイド回路(High)
- P2764:ロックアップデューティソレノイド回路(Low)← 今回該当
診断結果をもとに、ロックアップソレノイドバルブの単体交換と、
劣化が進んでいたATFの圧送交換(トルコン太郎)、
さらにバルブボディ内の関連ソレノイドバルブ交換をご提案し、
オーナー様にご了承いただきました。
■ 作業手順
1. ATFの状態確認
作業前にATFを採取して状態を確認します。走行距離131,200kmということもあり、オイルの色・粘度・ニオイをチェックしました。

採取したATFは黒ずんでおり、本来の赤みがほとんど残っていない状態でした。
劣化が相当進んでいることが目視でも確認でき、圧送交換の必要性が改めて裏付けられました。
2. オイルパンの取り外しと内部確認
ATFオイルパンを取り外して内部の状態を確認します。オイルパン内に金属粉や異物がどの程度堆積しているかも、トランスミッションの健康状態を判断する重要な指標となります。


取り外したオイルパンの内側には多くの鉄粉が付着しており、
キレイに洗浄して合わせ面を丁寧に清掃します。

3. バルブボディの取り外し
ソレノイドバルブを交換するため、バルブボディを取り外します。
このバルブボディは上面に設置されているのでゴミや埃が入らないように
ビニールで全て覆います。


バルブボディを取り外した後、トランスミッション内部の状態もあわせて確認しました。
スラッジの堆積や異常な摩耗の形跡がないかをチェックし、
今回は圧送交換とソレノイド交換で対応できる範囲であることを確認しました。
4. バルブボディ・ソレノイドバルブの点検と交換
取り外したバルブボディを作業台に置き、各ソレノイドバルブの状態を点検します。

続いて、デジタルテスターを用いてソレノイドバルブの抵抗値を実測します。
正常なソレノイドバルブには規定の抵抗値があり、
この数値が外れている場合はコイルの断線や短絡が疑われます。

単体点検を行い不良と判断されたロックアップデューティソレノイドバルブ
および関連ソレノイドバルブを交換します。
ソレノイドバルブはバルブボディ全体ではなく単体での交換が可能なため、
不要な部品代をかけずにコストを抑えた修理が実現できます。

今回は、ロックアップソレノイドバルブと同様に故障事例の多い
「AWDソレノイドバルブ」についても交換を行います。
ロックアップソレノイドバルブだけでなく、AWDソレノイドバルブも
同時に交換することで、関連する不具合の改善を図ります。
5. バルブボディの組み戻しとオイルパン取り付け
ソレノイドバルブの交換が完了したバルブボディをトランスミッションへ組み戻します。
各ボルトは規定トルクで締め付け、液漏れや組み付け不良がないよう丁寧に確認します。

オイルパンは新品ガスケットを使用して取り付け、均等に締め付けます。
6. トルコン太郎によるATF圧送交換
バルブボディとオイルパンの組み付けが完了したら、
当店が専門とする圧送交換機「トルコン太郎」を使ってATFを全量交換します。
トルコン太郎はトランスミッション内部を新油で押し流しながら古いATFを排出する方式のため、
従来のドレン交換では取り出せないトルクコンバーター内部や
ライン内の劣化オイルまでしっかり入れ替えることができます。



交換中は排出されるATFの色を継続的に確認しながら作業を進めます。
黒ずんだ旧オイルが徐々に新油の色に近づいていくことを目視で確認しながら、
適切な量で交換を完了させます。
■ 完成・試運転の結果
全作業が完了した後、スキャンツールで故障コードを消去し、
実際に試運転を行いました。
変速時のギクシャク感は解消され、ロックアップも滑らかに
作動していることを確認できました。チェックランプの再点灯もなく、
P2764・C0045ともに再出力されないことを確認して作業完了としました。

今回のケースでは、バルブボディをASSY交換するのではなく
不良ソレノイドの単体交換という判断が適切なコスト削減につながりました。
ディーラーではバルブボディごとの交換を推奨されるケースもありますが、
当店では診断結果に基づいて必要最小限の部品交換をご提案しています。
また、劣化が進んでいたATFをトルコン太郎で全量圧送交換することで、
ソレノイド交換の効果を最大限に引き出せる環境を整えることができました。
■ まとめ
- 診断コード P2764(ロックアップデューティソレノイド回路・低)を確認
- ソレノイドバルブの抵抗値測定により不良箇所を特定
- ロックアップソレノイドバルブおよび関連ソレノイドバルブを単体交換
- トルコン太郎によるATF圧送交換を実施(131,200km相当の劣化オイルを全量入れ替え)
- 試運転にて変速ギクシャクの解消とチェックランプ消灯を確認
スバル エクシーガに限らず、チェックランプの点灯や変速時のショック・
ギクシャクでお困りの方は、ぜひホリエカーサービスへご相談ください。
適切な診断と、コストを重視した修理提案でご対応いたします。
ホリエカーサービスは、スバル車のCVT修理・ソレノイドバルブ交換・
バルブボディ修理・CVTフルード圧送交換に対応しています。
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