整備士の中古車販売店/ホリエカーサービス

スバル レガシィツーリングワゴン BRG 変速ショック・チェックランプ点灯修理|P2763 ロックアップデューティーソレノイド交換

今回のご依頼は、スバル レガシィツーリングワゴン(DBA-BRG)
のチェックランプ点灯および変速ショックのご依頼です。

ディーラーでの点検では「バルブボディ交換が必要」と診断され、
見積もりは30万円以上とのこと。費用面でご不安を感じられたオーナー様が、
当店にご相談にお越しくださいました。しっかり診断した結果、
バルブボディ全体を交換しなくても、原因となっているソレノイドバルブ1個の単体交換
で修理できることが判明しました。
その作業の流れをご紹介します。

車両情報

  • 車種:スバル レガシィツーリングワゴン
  • 型式:DBA-BRG
  • 走行距離:128,000km
  • 症状:変速時にショックがある・チェックランプが点灯している
  • 故障コード:P2763 ロックアップデューティーソレノイド 回路(高)

故障コードの診断

まず最初にスキャンツール(MaxiSys MS909)を使って、
ATコンピューター(TCM)の故障コードを読み取りました。

表示されたのは P2763「ロックアップデューティーソレノイド 回路(高)」
これは、トルクコンバーターのロックアップを制御するソレノイドバルブの
電気回路に異常があることを示しています。

ロックアップソレノイドとは、エンジンの動力をミッションに直結させるための部品です。
ここが正常に動かないと、変速のタイミングがずれたり、ガクンとショックが出たりします。
走行距離128,000kmということもあり、ソレノイドバルブ自体の劣化が疑われました。

ATFの状態確認

バルブボディを取り外す前に、まずATF(オートマオイル)の状態を確認します。
オイルの色や汚れ具合を見ることで、ミッション内部の状態をある程度把握することができます。

採取したATFは茶色く変色しており、長年の使用による劣化が見られました。
ソレノイドバルブの交換と合わせて、ATFの交換も必要な状態です。

バルブボディの取り外し

車両をリフトアップし、ATのオイルパンを取り外してバルブボディにアクセスします。
バルブボディとは、ATの変速を制御するための油圧回路が詰まった
「ミッションの司令塔」とも言える部品です。

オイルパンを外すと、バルブボディが現れました。
多数のボルトで固定されているため、慎重に順番を守りながら取り外していきます。

ソレノイドバルブの抵抗値測定

取り外したバルブボディを作業台に置き、各ソレノイドバルブの抵抗値を
テスターで1つずつ測定していきます。
どのソレノイドが故障しているかを正確に特定することができます。

測定結果をサービスマニュアルの基準値と照らし合わせます。

上の写真をご覧ください。サービスマニュアルによると、
ロックアップデューティーソレノイドに相当する端子No.2の基準抵抗値は約12Ωです。
ところが実際に測定したところ、59.9Ωという大幅に高い値を示しました(×印)。
他のソレノイドはいずれも基準値内に収まっています。

この測定結果から、ロックアップデューティーソレノイドバルブ故障していることが
明確に確認できました。
バルブボディ全体を交換する必要はなく、
このソレノイドバルブ1個を交換すれば修理が完了します。

ソレノイドバルブの単体交換

故障が特定できたので、ロックアップデューティーソレノイドバルブを
単体で交換します。

ソレノイドバルブの交換に合わせて、オイルパンのガスケットやストレーナー
(フィルター)も新品に交換します。
せっかくここまで分解しているので、周辺の消耗品もまとめて交換しておくことで、
再作業のリスクを減らすことができます。


オイルパンに取り付けられているマグネットやオイルパンも綺麗に掃除します。

ATF圧送交換(トルコン太郎)

ソレノイドバルブの交換が完了したら、続いてATFの交換を行います。
今回は当店が得意とする圧送交換機「トルコン太郎」を使用します。

通常のATF交換(循環式)では、ミッション内部に古いオイルが残ってしまいます。
トルコン太郎を使った圧送交換では、古いオイルを新しいオイルで押し出しながら
入れ替えるため、ミッション内部のオイルをほぼ完全に新しくすることができます。

交換前と交換後のATFの色を比べると、その違いは一目瞭然です。
劣化した茶色いオイルから、きれいな新油へと入れ替わりました。

交換後の確認・試運転

ATFの交換が完了したら、再度スキャンツールを接続して故障コードを消去し、
各ソレノイドバルブの作動確認を行います。

故障コードは正常に消去され、異常なし。
続いて実際に試運転を行い、変速ショックがなくなったかどうかを確認します。

試運転の結果、変速時のショックは完全に解消され、
チェックランプも再点灯しないことを確認できました。
ATFも新しくなり、変速のスムーズさが格段に向上しています。

まとめ

今回の修理内容と費用を整理すると、以下のとおりです。

  • ディーラーの見積もり:バルブボディ丸ごと交換 → 30万円以上
  • 当店の修理:ロックアップデューティーソレノイドバルブ単体交換 + ATF圧送交換
    (大幅にコストを抑えて修理完了)

ディーラーでは「バルブボディ交換」という診断でしたが、
当店では故障コードの読み取りと各ソレノイドバルブの抵抗値測定という
きちんとした診断を行い、原因部品を1個に特定することができました。
正確な診断があれば、必要な部品だけを交換できるため、
修理費用を大幅に節約することが可能です。

「チェックランプが点いた」「変速がおかしい」「ディーラーで高額な見積もりが出た」
という方は、ぜひ一度当店にご相談ください。
正確な診断のうえで、最もコストパフォーマンスの高い修理方法をご提案いたします。

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