今回のご依頼は、スバル レガシィB4(CBA-BL5)の
チェックランプ点灯および変速ショックに関するご依頼です。

■ 車両情報

  • 車種:スバル レガシィB4
  • 型式:CBA-BL5
  • 走行距離:40,200km
  • 症状:チェックランプ点灯・変速ショック
  • 故障コード:P1710(トルクコンバータータービン2速度信号回路異常)
  • 作業内容:コンピューター診断(OBD)・タービン回転センサー交換・
    ATF圧送交換(トルコン太郎)

■ 診断・症状確認

まずはリフトアップする前に、当店のスキャンツールを用いてOBD診断を実施しました。
TCM(変速機制御システム)のトラブルコードを確認したところ、
P1710「トルクコンバータータービン2速度信号回路異常」
が現在コードとして記録されていました。過去コードにも同じP1710が残っており、
間欠的ではなく継続的に発生している状態です。

P1710はトルクコンバーター内部のタービン回転数を検知するセンサー
(タービン回転センサー)の信号異常を示すコードです。
このセンサーが正確な回転数を検出できなくなると、
TCMが変速タイミングを適切に制御できなくなり、
変速ショックや不安定なシフトチェンジとして体感されます。
お客様がご報告されていた症状とも完全に一致しています。

また、走行距離は40,200kmとさほど多くないように見えますが、
ATFの交換履歴が不明であること、そして実際にATFを抜いて状態を確認したところ、
油液の劣化が相当進んでいたことから、センサー交換と併せてATF圧送交換も
実施することになりました。

■ ATF状態の確認

バルブボディを取り外す前に、まずATFの状態を採取して確認します。本来であれば透明感のある赤色が正常なATFの色ですが、
今回抜き取ったATFは茶褐色に変色しており、劣化が明らかな状態でした。
変速ショックの一因としてATFの性能低下も十分に考えられます。

■ バルブボディ・センサーの取り外し

タービン回転センサーはATのバルブボディ内部に組み込まれているため、まずATのオイルパンを取り外し、バルブボディを降ろす作業から始めます。
オイルパンを外すと、複数のソレノイドバルブや配線ハーネスが確認できます。

バルブボディ一式を車体から取り外しました。取り外したバルブボディはトレーに置いて状態を確認します。
センサー類や配線の取り回しを確認しながら、慎重に分解作業を進めます。

バルブボディから内部の配線ハーネスおよびセンサー類を取り外します。
左側が取り外した旧部品一式、右側が新品のハーネスアッセンブリです。
BL5系レガシィのタービン回転センサーはハーネスと一体となっている構造のため、
センサー単体ではなくハーネスアッセンブリとしての交換となります。

■ タービン回転センサーの交換

旧センサーと新品センサーを並べて比較します。
外観上は大きな差異はありませんが、旧センサーには使用による汚れや微細な
ダメージが見られます。
電気的な抵抗値や信号出力が基準値を外れていることが根本原因であり、
外観が正常に見えても内部素子の劣化が進んでいるケースがほとんどです。

続いてATフィルターの交換です。
今回は同時にATストレーナー(フィルター)の交換も実施しました。
通常単品での供給はありませんが当店では単品で交換可能です。
旧フィルターは黒く汚染され、フィルター素材にも相当量の異物が目詰まり
している状態で、ATFの劣化と連動してフィルターも機能低下を
起こしていたことが確認されました。新品フィルターとの差は一目瞭然です。

新品のタービン回転センサー(ハーネスアッセンブリ)
および新品フィルターをバルブボディに組み付け、
車体へ戻します。新品フィルターが正しく装着された状態です。

■ ATF圧送交換(トルコン太郎)

バルブボディの組み付けが完了したら、当店の主力機であるATF圧送交換機
「トルコン太郎」
を使用してATFを全量交換します。
トルコン太郎はATFクーラーラインに接続し、新旧ATFを圧送・
循環させながら入れ替えるシステムです。単純なドレン抜きや循環交換とは異なり、
トルクコンバーター内部まで含めたATF全量をほぼ100%新油に置き換えることができます。

圧送交換中は、排出されるATFの色と新油の色を比較しながら作業を進めます。
排出油が新油と同等の色になった段階で交換完了となります。
今回は劣化が進んでいたため、フラッシング工程もしっかり実施しました。

■ 作業完了・試運転

ATF圧送交換が完了したら、再度OBD診断機を接続して故障コードを消去します。
その後、試運転を行い変速状態・チェックランプの再点灯がないかを確認します。

試運転の結果、チェックランプの再点灯はなく、
変速ショックも完全に解消
されていることを確認しました。
シフトアップ・ダウンともにスムーズで、お客様にも変速フィーリング
の改善を実感していただけました。

■ まとめ

今回の作業をまとめます。

  • 故障コードP1710(トルクコンバータータービン2速度信号回路異常)を確認
  • タービン回転センサー(ハーネスアッセンブリ)を新品交換
  • 同時にATストレーナー(フィルター)も新品交換
  • トルコン太郎によるATF圧送交換を実施
  • チェックランプ消灯・変速ショック解消を確認

走行距離が4万km台であっても、ATFの交換履歴がなければ劣化は着実に進行します。
特にスバルの横置きAT(TZ1系)はATF管理が重要で、
変速ショックやチェックランプが出る前の予防的なATF交換を強くお勧めします。
また、P1710のようなセンサー系の故障はディーラーでバルブボディASSY交換と
診断されることも多いですが、
当店ではセンサー単位での的確な部品交換とATF圧送交換の組み合わせにより、
コストを抑えながら確実な修理を実現しています。

スバル車のATトラブル・チェックランプ点灯・変速ショックでお困りの方は、ぜひホリエカーサービスにご相談ください。
お電話は0480-42-5554(月〜土 9:00〜19:00)にて承っております。